誰もしらない

車も通らない国道
踏み入れたカレハ
かさかさ鳴らせて
踏み分け奥へ進む

緑も朽木も混ざり消失
棺も何も無いけれど
跪いて地面にそっと触れる

誰もしらない 樹海に花束を
深く深い奥に眠る
真っ白な君に触れていたくて

柔らかな肌を抉った
それも今では無いけれど
見上げた空はずっと届かない

誰もしらない 君に花束を
祝福も 黙祷も しらない
哀しげな君を触れていたくて

誰もしらない ぼくらに花束を
眠った君を幾度も飾ろう